スイス大学院留学ブログ - Study in Geneva

ジュネーブでの大学院生活について綴るブログです。

修士論文ぶっちゃけトーク

ちょうど修士論文に本格的に取り組み始めたタイミングなので、本日は修論について。

海外大学院に応募する際に、論文執筆に不安を感じている人も少なくないと思います。

私も日本語で卒論を書いた経験のみ(しかも到底論文とは呼べない内容・・・)、
かつ文章を書くのが得意な訳でもないので、不安を抱えたまま大学院留学をスタート。

そんな当初の不安が完全に消えたとは言い難いですが、なんとか書き切って卒業はできるだろうというのが今の心境です。なんだかんだで大学院のカリキュラムってよくできてる(笑)

誰かの不安解消になるか分かりませんが、私が在籍する IHEID での論文執筆プロセスについてまとめてみました。

なぜ修士論文を書くのか?

最近は修士論文が必須ではない実践重視の修士課程も増えているようですが、IHEID ではどのプログラムでも必須です。2年間で取得しなければいけない120単位中の30単位が修士論文に割り当てられています。

修士課程=修士論文という連想が一般的だと思いますが、そもそもなぜ書くのか。

①これまで蓄積された人類の知識に依拠しながら、研究を通じて新しい知識を作り出すことで人類社会に貢献するため

②その研究のプロセスおよび結果の正当性を書き示すことで、(修士レベルに期待される)研究に必要な知識およびスキルを取得していることを証明するため

以上、何も参照しないで書いたので多少的外れかもしれませんが、現役大学院生なりの回答です。

自分は研究者志望ではないので修士論文に心ときめくことはないですが、どんなに些細でも自分の生み出す研究の成果で誰かに貢献したい、という動機は重要だと思います。

といっても修論を読むのは結局は自分の指導教官だけという可能性が高いのですが(苦笑)

指導教官以外の人に読んでもらえるかは、書き手の人脈と論文のクオリティ次第ですね。

IHEID の研究カリキュラム

日本の学部で大して研究したこともないのに、海外の大学院で研究なんかできるのか?

大学院によって前提とされる研究スキルは異なりますが、IHEID は社会科学系の研究未経験でも大丈夫です。知識ゼロの学生を前提に、研究とは何たるかを教えてくれます。

私が在籍している Interdisciplinary Master Programme では、1年目の春学期の必修として、Social Inquiry and Qualitative Methods という科目が設けられています。

残念ながら大規模で不人気な授業でしたが、研究する意義や研究手法、研究する際の留意事項などを学ぶことができたので、個人的にはとても参考になりました。

また、授業の課題として、修士論文のアウトラインを2回提出することになっていたので、否応無しにテーマを考えることになりました。

結局そのあとテーマを完全撤回したので、労力が無駄になった感は否めませんが、研究を進めるにあたって考慮すべきことは一通り認識できました。

COVID-19の影響

修士課程に限らず、新型コロナが学術研究に与える影響は大きいです。
思いつくだけで以下のような側面が挙げられます:

・遠方または他国への渡航を含むフィールドワーク
・図書館やアーカイブに貯蔵されている資料へのアクセス
・多くの人との接触を必要とするデータの収集

私の場合、2021年には新型コロナが落ち着いているだろうという希望的観測のもとで海外でのフィールドワークが含まれる研究活動を検討していました。しかし、感染第二波とともに日本帰国さえもしづらい状況になってしまったので、年明けに完全に研究トピックを変更せざるを得ませんでした。。。

ただ、大学院側も修士論文への影響の大きさを理解しており、去年に引き続き今年も提出締切の延長(最大1学期分)が認められています。なので、早く修論を終わらせて卒業したいという気持ちと、1学期延長してジュネーブにいられる時間を伸ばしたいという気持ちが入り混じった心境です。

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春から秋にかけてのジュネーブは本当に綺麗で暮らしやすいです。

以上、修士論文について現役大学院生の目線で書いてみました。

新型コロナで研究活動がしづらい状況であるのは確かです。私の場合は大学院留学途中に起きてしまったので適応する選択肢のみでしたが、これからという方はこの状況下で留学すべきなのか悩まれているかもしれません。

大学院留学の目的は人それぞれなので最後は自分の決断次第ですが、学習・研究・生活環境について気になる方は気軽にコメントしてください。ご質問お待ちしています!